22 Jan 2026
今回は、スペシャルVer.で、酒井 千尋先生にお越しいただきました。酒井先生は、筑波大学大学院で舞踊教育の研究に取り組む中で、「身体表現と子どもの発達」の関係に関心を深められ、児童発達支援所で指導員として経験を積んだ後に独立。現在は、こころからだ発達研究所を開所されていらっしゃいます。親子をつなぐオンラインようちえんの運営や、発達に特性のある子どもと家族への支援にも携わっていらっしゃいます。

はじめに、「こんなことで悩んでいませんか?」と問い掛けてくださいました。「癇癪がひどい」「落ち着きがない」「我慢ができない」「チャレンジして欲しいのに、その意欲が薄い」など。二児の母でいらっしゃる酒井先生ですが、我が子へのかかわりは、なかなか難しいとのこと。「お母さんの苦労は分かるし、子育てって難しいと思っています。」と共感してくださり講座がスタートしました。
世の中のお母さんが思っているのは、「このまま小学校に行っても大丈夫なの?」という不安。「だから、幼稚園の間にできるようになってほしい。」と願ってしまいがち。でも、小学校で必要とされる力が入学前に備わっている必要はありません。子どもは、普段、そしてこれからの生活や遊びの中で、その力を完成させていきます。例えば、我慢することを10回練習して、その力が身に付くわけではなく、実は、体や気持ちの土台が整うことで、自然に我慢ができるようになります。「感覚統合の発達を示す積み木のモデル」を示していただきました。

ピラミッド型の上位にある「学習、集中、我慢」は、経験を積む以外に、姿勢、運動、気持ちのコントロール、視覚、前庭覚、固有覚、触覚、聴覚といった感覚が整って育つ力です。だから、「うちの子は〇〇ができない。」と親が感じるときに、〇〇の反復練習のほかに、何か必要な刺激や不足している経験があるのでは?という視点が必要です。土台となる視覚、前庭覚、固有覚、触覚、聴覚といった感覚は、人が外界を感じるために備わっている感覚です。これらの感覚が育つと、自分の今の状態を理解することができ、例えば「疲れた」「落ち着かない」といった状態が分かり、姿勢や気持ちの切り換え等が安定してきます。
「感覚」には、五感(視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚)の他に、前庭覚、固有受容覚があるそうです。前庭覚は、体の向き、スピード、重力を感じる感覚で、これが育つとじっと座ること、動きを止めること等ができるようになります。が、子どもは、自分で気付くことが難しい感覚です。固有受容覚とは、力の加減、体の位置を感じる感覚で、これが育つと姿勢が安定する、気持ちが落ち着くようになります。例えば、相撲での力の入れ具合や、ダンスで自分の頭や体の位置を認識するといった感覚です。
感覚は、心とつながっています。体を動かすことで、体が育ち、感覚が安定し、気持ちが整いやすくなります。ですから、体を動かす遊びを意識的に行う必要があります。危険なのは、大人が準備している「遊び風」のものを「遊び」としまうこと。評価されないこと、やめることを自分で決めること、楽しかったかどうかなど、遊びには必要な要素があり、遊びが心も育てます。
参加者からは、「『子どもの発育の根幹には、感覚の発達が関係している』というお話を特に興味深く拝聴しました。今まで意識したことがない観点だったので、今までの子育てではどうだっただろう、と思い返すと、あまり『感覚を育てる』という点には重きを置いていませんでした。体幹といった体を支える能力にも関係してきますし、これから楽しく良い刺激をたくさん与えてあげたいと思いました。」「今回のお話を通して、癇癪ややる気の無さが、さまざまな感覚と深く関係していることを初めて知り、とても驚きました。これまで行動や気持ちの問題として捉えていましたが、感覚の視点から理解することで、子どもへの関わり方を見直す大切さを感じました。具体的な遊び方の例を教えていただいたことで、日常の中でもすぐに取り入れられそうだと思いました。今後は、教えていただいたポジティブな遊び方を参考にしながら、楽しく実践していきたいです。貴重なお話をありがとうございました。」などの感想が集まっています。
体を育てることは、感覚、つまり心を育てること。大人がお子様の行動の見方をちょっと変えるだけで、心の成長につながっていくことを教えていただきました。酒井先生、貴重なご講話をいただき、大変ありがとうございました。
次回は、1月29日(木)10:25~11:10に開催します。講座テーマは「シークヮーサーエッセンシャルオイルを活用して~ストレス解消を」です。たくさんの方のご参加をお待ちしています。





