23 Jan 2025
子育てミニ講座第8弾は、愛媛大学教育学部で食物学ご専門の岡本威明先生 にお越しいただきました。本日は、苦みを和らげたピーマンとコオロギカレーを試食でできる講座です。ピーマンの苦みを和らげるためのアイテムは、だしでした。岡本先生は、朝7時半から昆布とかつおからだしを取って、本日午後の子育てミニ講座に来てくださいました。
だしは、苦みを抑制する機能のほかに食品材料の味の不足を補ったり、旨味や香りを付与したり、塩味を強めたりする機能があり、味を整え全体をまとめてくれるのだそうです。参加者は、岡本先生が作ってくださっただしを味わったのちに、醤油のみで味付けをしたピーマンと、だしと醤油を合わせて味付けをしたピーマンを食べ比べました。味覚は人それぞれですが、だしが入ったピーマンの方を苦みが少ないと感じる人の方が多かったようです。
次は、いよいよコオロギカレー。日本では昆虫を食べる文化として、イナゴ、蚕、蜂の子などが佃煮として販売されています。なぜ、いま、昆虫のコオロギが注目を集めているのか。それは、2030年以降、世界的な人口増加が加速する中で、現在、食糧として利用可能な資源がひっ迫した状態にあるからなのだそう。コオロギがスーパーフードだと言われる所以を教えていただきました。100グラムあたりの食物繊維の含有量は、レタスの約4倍、カルシウムは牛乳の約1,3倍、鉄は牛レバーの約2倍。これには、大変驚きました。
不足しがちなタンパク質等を含むコオロギパワーに着目し、脱脂パウダーにして配合したカレーを岡本先生が学生との共同企画で開発されました。カレー1袋には、およそ卵2個分のタンパク質が入っているのだそうです。試食させていただくと、大人にちょうどよい辛さで、とっても美味でした。
参加者からは、「コオロギの栄養価の高さに驚かされました。」「今日のお話を聞いて、昆虫食を前向きにとらえてみようと思いました。」「試食をまじえて分かりやすく説明をしていただき、楽しい講座でした。」「数年前から、コオロギの食用についてのニュースを目にしていて、今回、興味を持って参加しました。お話が聞けてよかったです。」「調味料の組み合わせや調理の仕方で苦みがまろやかになることで、食べることの苦手意識も改善できることを学ぶことができました。」などが寄せられました。岡本先生、充実した学びを提供していただき、大変ありがとうございました。